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といっても、普通に21時くらいまで普通に仕事してきたんで、全くクリスマスという感じはしませんが(会社の人も大半は残ってたし)。田舎に住んでると、イルミネーションもあんまし見ませんしねー。
とはいえ、世の中はクリスマスですよね。
お祭り好きな私としては、これを機に短編の一本や二本や三本くらい書くつもりでいたのですが……今日もさっきまでぎりぎり執筆してみたんですが、やっぱり挫折しました。いや、一応、昨日で短編は完成してたんですよ。去年のクリスマスに書いた作品の続きと言うかなんかそんな感じの作品が一本。
でも、今日読み直してみると、面白くないというかテンポが悪くてですねー。
――いや、テンポが悪いよりもまずやっぱり面白くないのか? まあ、どっちでも良いですが、あんまし人目に晒せる出来じゃなかったんで、引っ込めました。書きたい作品ではあるんですけれどもねー。
ちなみに明後日は東京で結婚式なので、明日、会社が終わってからそのまんま飛行機に乗って旅立ちます。帰ってくるのは日曜日の遅い時間なんで、そのまんま寝て月曜に仕事に行って、その日はまた仕事終わったら遊んで――ってスケジュールになってます。んで、今週の土日はImitation Colors更新できないと思います。すみませんー!
ま、火曜日から1/3まではお休みなので、その間で更新しますねー。
冬休みの目標は、「サイトの改装」「拍手お礼の短編の執筆」「Imitation Colorsの執筆完了」です。さっさとImitation Colorsの執筆を終わらせて、琥珀色に戻るぞー!
以下、挫折した短編の切れ端。
【Christmas Present 改題 *Rose Dust】
――私は、王子である。
そう言うと皆、ふんと鼻で笑い飛ばすか、世にも気の毒なものを見るような視線を向けてくる。だが、それは紛れもなく事実なのである。
嘘だと思うのなら、我が国の系図を紐解いて見れば良い。私の先祖を遡っていけば、愛犬の毛を虎柄に塗り「虎を従えたり」と豪語していた(猫にも怯えた小心者だと言われる)小虎王や、美しい国づくりをしたいと国中の道を孔雀の羽で埋め尽くした(と言われているが、実際は王宮から門までの小道で頓挫したらしい)孔雀王にぶつかるはずだ。もっとも、系図を紐解くことが許されているのは一握りの人間だけ。実のところ、私も開いたことはない。
「かえるの先祖がどうして虎や孔雀なのよ」
思わず陶然と聞き入ってしまうような、美しい声がかけられた。
くるりんと巻かれた金髪に、大きな瞳にはめ込まれている透明な青。真珠色の肌はどこまでもなめらかで、薔薇色の唇は形を変えるたびに見るものの視線を釘付ける。完璧なまでに美しい容貌はまるで人形のようであるが、彼女には人形には決して出せない香りたつような魅力があった。何より、彼女の煌く瞳はどんな宝石を使っても表現できないだろう。
彼女の名前はアリスと言う。名は体を表すと言うが、彼女の場合もそれはぴたりと当てはまる。アリスさま――なんて美しい響きなのだろう。
「確かに名は体を表すわね。フローはフローだもの」
それはそうだろう、と私は思う。俗に言う"悪い魔女"であるアリスさまは、善良な王子であった私の姿を魔法でかえるに変えた上で、愛称を「フロッグ」から取った「フロー」にしたのだ。彼女から賜った愛称だと思えば邪険にするわけにもいかないが、やはり複雑である。どうせならもっと格好良い名前で呼んでくださらないだろうか。
「かえるとか?」
後生ですから、もう少し頭を使ってください。
「じゃ、"かえるん"で」
その脊椎反射的回答に、私に対する愛が感じられないと思うのは、きっと私の思い過ごしなのでしょう。それにしても、全く嘆かわしいことである。アリスさまの美しい容姿を造形した神々はこんなにも良いセンスをしていたのに、どうしてアリスさまのセンスはこれほどまでに壊滅的なのだろう。アリスさまにニ物、三物を与えてくださった神も、センスだけは与えてくださらなかったとみえ――ぎゃ。
「あなたも素敵な姿を与えられて良かったわね、かえる」
ふ、フローとお呼びくださいアリスさま。
ていうか素敵な姿ってもしかしてこの姿のことでしょうか。こののっぺりべっとりとした青い肌。くりくりと円らな黒の瞳。空気を入れると大きく膨らむこの真っ赤な口。何処からどう見ても立派なかえるである。我ながらたまに可愛く見えるときもあるのだが、何処までいってもやっぱりかえる。逆立ちしようが宙返りしようがかえるである。うう、かえるかえると言っていると自分で落ち込んでくる。
……それより、そろそろその美しいおみ足をどけてはくださいませんか。
「あら、そんなところで何をしているの?」
人を踏みつけておいてその言い草は……ぐるじい。
小さい手足を精一杯ばたばたさせていると、空気が足らなくなり、本当に意識が遠のいてくる。アリスさま、このままじゃ本当に死にます。死にますって。わたし本当に死んじゃいますよー? そんな必死の訴えも虚しく、気付けば意識はゆっくりと遠のいていった。
アリスさまの足の下で死ねれば本望である――はずもない。
せめて腕の中で死なせて欲しい。